日本学校ソーシャルワーク学会通信第16号 特集 第5回大会の概要と自由研究発表の募集
2009年12月7日発行
目次
- 第5回大会 テーマ「学校におけるソーシャルワーク実践の検証―成果と課題」
- SSW をめぐる今日的動向
- 全国各地からー地区研修会・地区大会の報告
- 地区世話人」の公募
- 学会事務局だより
第5回大会 テーマ「学校におけるソーシャルワーク実践の検証―成果と課題」
日時
2010年7月10日(土)、11日(日)
※内容(案):時間等の詳細については、後日、学会HPにアップします。
会場
大阪府立大学(堺市・中百舌鳥キャンパス)
7月10日の概要
- 大会企画シンポジウム 「学校におけるソーシャルワーク実践と研究の検証~ソーシャルワークの視点から~」
- 懇親会/年次総会
7月11日の概要
- 自由研究発表分科会
- SSWr の集い/学生・院生の集い
-
課題別分科会
- 「貧困・低所得家族に対する制度とSW実践」
- 「青年期課題と学校ソーシャルワーク」
- 「荒れた中学校での学校ソーシャルワーク実践の取り組み」
- 「SSW活用事業の財源確保問題とSSW活用の工夫」
学会事前企画 基礎研修、専門研修(7月10日)
自由研究発表の募集
大会準備に先立ち、自由研究発表を募集します。詳細は、近日中に学会ホームページに掲載します。
メール(nsuzuki@educ.fukushima-u.ac.jp)、FAX(024-548-8114)にて、学会事務局まで、氏名・所属・題目(仮)を明記の上、ご連絡ください。
応募者の資格は、当該年度学会会員(会費納入)であることです。
応募(エントリ-)の締め切りは4月10日(厳守で)。折り返し、発表集録用原稿の執筆要項や発表時の要項をお送りします。
ふるってご応募ください。
<SSWをめぐる今日的動向>
日本社会福祉士養成校協会によるスクールソーシャルワーク教育課程始まる!
山野則子(大阪府立大学)
その経緯
2005年4月より、大阪府において組織的にスクールソーシャルワーク(SSW)事業を開始しました。全国でも、組織的構造的(府教委-市教委-学校/SV-SSWr)に位置付け開始したのは初めてのことと思います。2005年2月予算確定時から、早速人探しに奔走し、実際、苦労しました。そんなことから、事業をうまく進行させることと同時に養成の課題が当初から存在していました。2005年度に大阪府社会福祉士会と協働して、スクールソーシャルワーカー(SSWr)養成講座を企画したり、2007年度から府立大学においてSSW研究会を開催してきました。その背景には、2005年以来大阪府内の市町村や近隣自治体において独自採用を企画される自治体が出現し人材が求められたことにあります。さらに、2008年のSSW事業が全国展開したことによって、専門家である人材養成のニーズが高く寄せられたこと、社会福祉専門職の養成と領域拡大が社会福祉系大学の課題でもあったことから、日本社会福祉養成校協会において、SSW養成事業企画準備委員会として、2008年2月から検討を重ねることになりました。
養成の内容
それは、かなりの回数の会議を重ね議論し、日社会福祉養成校協会の理事会、総会を経て、認定制度を開設しました。教育課程開設に関して養成校が申請し審査されるシステムが実施され、2009年度10校から開始する運びとなりました。しかし、2009年度は、2年後、3年後から開始の養成校もあったため、実際に始めたのは数校です。しかし、2010年3月には認定スクールソーシャルワーカーが誕生するのは確かです。その科目内容(表1)と課題を確認しましょう。
本校では、大阪府内の高い喫緊のニーズがあるため、科目履修も数名認め開始しました。学生にとって、まだまだ学校のなかでSSWrの認知と位置がはっきりしない段階で苦悩するSSWrに指導を受けて実習できたことは非常に大きな体験となりました。単に学校を知るというレベルではなく、ソーシャルワークの新しい領域である学校において、ソーシャルワークの変革のプロセスをしっかり学びとり、教育実習ではない体験を重ねたことは大変な力です。もちろん、体育大会のライン引きなどの教員の仕事もともに行い、学校教育のレクチャー、学級に入る見学実習も並行しながら、SSWrとともに家庭訪問、ケース会議に参画などの体験、さらに適応指導教室の見学、児童養護施設や発達支援センターの見学なども含んだ全体の中でSSWrの動きが見えるように工夫しました。SSWr不在の学校では不可能な体験です。教育実習、社会福祉実習(児童相談所や福祉事務所等)、保育実習などを経ている学生も多く、それぞれの違い、実習の意味をしっかり理解することができました。
養成の課題
いろいろ議論を経ての教育課程の始まりですが、学生の反応、実習先である学校や教育委員会の反応からも、養成校そして実習先のSVをしている立場で、たくさんの学びがありました。学生の教育効果は先に述べましたが、現場の学校や教育委員会の効果は学生が入ることで各学校1人1人の教員に、さらにSSWが理解され、共感や好感をもたれたことです。また、SSWrにとっても実習指導を行うことで自分の仕事の整理やいつも見られる緊張感が力を高めるのに貢献したようです。
つまり、重要な点は、SSW実習にはワーカーつきの実習が必要であること、それによって現場も高まるような配慮やサポートが必要であることです。単に学校現場を知ればいいのではなく、学校の価値観を学び、そのなかで苦悩するワーカーの手法を学ぶことが重要です。そして、現場を大切に育成する視点を失わないことが養成校にとって重要な課題でしょう。
もうひとつは、現在のSSWrの雇用が全国的に非常勤であることは、学生にとっても大卒すぐに非常勤で就職する決定になりにくいことやフィールドである学校や教育委員会にとっても、経験のある人を求めることから、SSWrの拡充と新卒すぐでも現場の複雑な問題に対応可能なSSWr養成に責任を持つことが課題といえましょう。
| 科目名( 免除) | 時間数 | |
|---|---|---|
| スクールソーシャルワーク論 | 30時間 | |
| スクールソーシャルワーク演習 | 15時間 | |
| スクールソーシャルワーク実習指導(SSWr実務経験2年以上の者) | 15時間 | |
| スクールソーシャルワーク実習(SSWr実務経験2年以上の者) | 80時間 | |
| 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(児童福祉論) (社会福祉士資格所持者) | 30時間 | |
| 精神保健学(精神保健福祉士資格所持者) | 30時間 | |
| 教育社会学他(教員免許所持者、SSWr実務経験2年以上の者) | 30時間 | |
| 教育心理学他(教員免許所持者、SSWr実務経験2年以上の者) | 30時間 |
| 巻頭言・子どもの生活によりそってー東北で考える学校ソーシャルワーク(鈴木庸裕) |
|
| 編集後記 |
地区世話人」の公募
学会発足当時より、学会理事が手分けして各地区担当者となり、学会ホームページに氏名・所属・メールアドレスを公表してきました。こうしたルートを通じて、入会希望者や研修会・学習会への要望、SSWへの質問・意見、スーパーヴァイズの依頼、学会内外からの声などに対応していただいてきました。
しかし、昨今のSSWをめぐる全国状況や300名を越える学会規模になる中で、顔が見える学会運営、主体的な会員活動などの充実が大切になっています。
そこで、学会理事会では、SSWの実践や研究の発展、そして学会の社会的貢献の1つのアクションとして、会員と共に、各地区で「地区世話人」としてご協力いただける会員を公募することにしました。
この「地区世話人」は、地区(ブロック)の代表という性格ではありません。役割としては、地区あるいは都道府県ごとの研修会や学習会に積極的に関与していただいたり、会員内外からの問い合わせなどへの対応など、実務的にもお力をお借りしたり、その他、必要と思われること様々あるかと思います。ただ、応募条件としては、本学会会員であり、氏名・所属(あるいは役職)・メールアドレスを学会HP上のコンテンツ「地区世話人」欄に公開していただき、情報や地区活動支援の橋渡しなどを「やってもいいよ」といっていただける方です。
今回の学会通信による「募集案内」に先立ち、すでに、学会メーリングリストで募集し、10名近くの方から手を挙げていただいたり問い合わせをいただいています。とりあえず、本学会通信発送後、12月15日あたりで、ホームページのメンテナンス作業の関係もあり、この募集実務はいったん終了します。
応募に関する問い合わせやご連絡は、学会事務局鈴木・メール(nsuzuki@educ.fukushima-u.ac.jp)までお願いします 。
学会事務局だ・よ・り
理事会報告
11月3日の理事会報告。9名出席、午前10時から午後3時。「東京駅八重洲倶楽部」において。
①第4回大会の収支報告
大会事務局学会から大会収益のうち50000円寄付が学会に寄付された。
②3年間会費未納1名の除籍確認。
会員総数は310名。
③第5回大会の準備
大会テーマ「学校におけるソーシャルワーク実践の検証ー成果と課題」(仮)
課題研究分科会の骨子検討(大会案内参照)。
大会事前の研修会の拡充ー研修委員会にて検討。
④編集委員会報告
15報の応募。うち2報のファーストオーサーが同一のため、毎号、多くの会員からの投稿を保障する学会誌の使命という観点から、毎号1報とすることで確認。別途、編集委員会を関西で開催。査読者を「編集協力委員」そして選定。来年5月末刊行をめざす。
⑤研修委員会報告
教委、指導主事レベルの研修の重要性。自治体動向との関わり。検証。地区毎の研修会等への財政補助について。
⑥研究委員会報告
「学会学術助成」の制度は今回先送りし、次年度の予算の拡充化後に告示・実施する。
全国・実態調査の実施を年度をまたがっても追求する。
⑦「地区世話人」の応募
学会ホームページ掲載の地区担当理事を「地区世話人」とし、メールアドレスを公表してもよいことを前提に、各地でスーパーバイザーや相談・支援に助勢いただく会員を公募する。
⑧2010年3月に第3回理事会
参集範囲:代表・副代表・各種委員会委員長、大会実行委員会事務局長、学会事務局長。
3月28旬予定。
翌日に関西地区の研修会を開催
⑨事務局より
事務局体制として、事務局長の他に次長と幹事をおき、事務局会議を定期的に開催するなど、学会事務実務のワーキング化を行っていくようにする。今年度は試行実施し、次期総会で事務局体制や「事務局に幹事を置くことができる」といった会則改正をおこなう準備。
⑩次回理事会
2010年3月27日、大阪府立大で予定
これから開催される研修会の案内
| 日時 | イベント名 | 場所 |
|---|---|---|
| 2009年12月19日 | 日本学校ソーシャルワーク学会北海道大会 | 札幌市・北星学園大学 |
| 2010年1月16日 | 日本学校ソーシャルワーク学会東海地区研修会 | 静岡市・静岡県総合社会福祉会館シズウエル |
| 2010年1月16日 | スクールソーシャルワーカー専門研修会(東海地区研修会に引き続き開催) | |
| 2010年3月28日 | 日本学校ソーシャルワーク学会 関西地区研修会 | 大阪市・大阪府立大学 |
